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うしのつむじ

牛の版画と絵を描く、冨田美穂のブログです。

神田日勝記念美術館での展示まとめ。 

 

あっという間に「牛の足音」展が終わって2週間が経ってしまいました。

振り返れば本当に貴重で、ありがたい時間でした。会場の写真をたくさん載せます。
最後に、制作工程の動画も載せていますので、ご興味のある方は!

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美術館外観。遺作の馬がロゴになっています。

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入口ロビーに、大きなタペストリーをかけて下さいました。館内は撮影禁止だったので、みんなこの前で写真を撮っていました。
牛がおおきく、ゴジラのようです。

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入ってすぐ、一階には大作を2点、神田日勝の作品の横に間借りする形で展示しました。
天井が高く、アーチ型で、照明も暗めのこの空間では、また牛もいつもと違った見え方をしました。隣には神田日勝の、お腹を裂かれた牛の絵。


新作「701」

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部分

新作の「701」これは前回作品の「388全身図Ⅱ」での反省を次に生かそうといろいろ工夫しました。
牛本来の大きさと迫力、そして自分の力量、制作する私の部屋の大きさとのせめぎあい。本当にたくさんの方の手を借りて、なんとかこの展示に間に合わすことができました。モデルの牛も現役バリバリなので、仕事に行くたびに観察してスケッチしたりできたのもとてもよかったです。あんまり毎度会いに行くから、少しこの牛と仲良くなりました。
ホルスタインの牝牛は、お乳がたくさん出るように改良されていてそういう形をしていますが。私たちが日々お世話になりながら、でも決して私たちの為に生きているわけではないはずの牛の生命を、実物大で表現できたらいいなと考えて作りました。

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日勝さんの作品とこんなふうにして並ぶ日が来るなんて。夢のようです。


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広い階段を、牛の横顔に導かれて登ります。


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2階にはいつもの作品たち。

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一日一牛のコーナーも。

神田日勝さんの作品とはパッと見の共通点があって(遺作の背景がないところとか)、よく引き合いに出されたりもするのですが。
こうやって並べてみると、同じ家畜を似た構図で描いていても、作家性や時代背景が私とはまったく違うんだなあという事を改めて感じました。日勝さんは、私よりもっと絵を描くことそのものを楽しんで苦しんでいたし、モチーフを通して籠めていたメッセージもずっと重たく複雑だったような気がします。

共通点があるとするなら、きっと日勝さんも、毎日の農作業や生活の中で、馬や牛、泥だらけで地面に張り付いて生きる私たち人間の存在…理想化しないリアルな姿の中に、それでも立ち上る存在そのものの気高さというような事を感じていたのかもしれません。

あの未完の馬が完成していたら、どんな目をしていたでしょう。

日勝さん、ご存命ならば80歳くらいだったはず。お話してみたかったなあ。

日勝さんの胸を借りて、いろいろな事に気づけた展覧会でした。

この展覧会を近くから遠くから、本当に思いもかけないほどたくさんの方々が見に来て下さいました。
そして、作品を作るとき、展示するとき助けて下さった職場や近所の皆さん、お友達。そしてお世話になった美術館の方々。
来れなくても応援してくださった皆さんも。
心から、ありがとうございました。

最後になりましたが、701の彫り工程のスライドショー動画を貼っておきます。
彫った日はほぼ毎日写真を撮っていたはずなので、およそ45日分の作業の記録です。

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神田日勝記念美術館での展示が終了しました。 

 

14日、神田日勝記念美術館での「冨田美穂木版画展ー牛の足音」無事終了致しました。

最終日のギャラリートークも51人もの方が来て下さったそうです。

本当にありがとうございました!!

取り急ぎ、無事終了のご報告でした。また詳しい展示風景などは改めて。


新作と私。




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「牛の足音―冨田美穂 牛の木版画展―」始まりました。 

 

まずは、このたびの台風21号と、北海道胆振東部地震で被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
震源あたりは本当に被害が大きく、胸を痛めております。

ご心配下さったかたもいらっしゃるかと思いますが、このあたりは震度3と揺れも少なく、停電はありましたが元気にやっています。
滞っていた物流も、元に戻りつつあります。

被害の大きかった地域の一日も早い復興を祈っております。



9月4日より、鹿追町神田日勝記念美術館にて、牛の足音―冨田美穂 牛の木版画展―始まりました。
初日から2日後の地震で、鹿追では震度4だったそうですが、作品の無事は学芸員さんがすぐ確認してくださり、6日だけの臨時休館で、7日からまた通常通り開館しております。

初日4日から、台風が近づく中、たくさんの方にお越しいただきました。
憧れの神田日勝記念美術館の空間に、日勝さんの絵と並んで自分の作品が並ぶ日が来るなんて…思いもしませんでした。
本当にたくさんの方に助けられ、この場所に作品を持ってくることができました。
いくら感謝しても足りません。本当に、ありがとうございました!

また会場の写真は改めて上げさせてもらいますが、取り急ぎ2点だけ。

15日のアーティストトークは予定通り開催させていただくつもりです。
まだまだ落ち着かない中、また農繁期の中、もしご都合のつく方は、お越しいただけると嬉しいです。

あとは最終日の10月14日に会場に居る予定です。

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新作、701全身図


牛の足音―冨田美穂 牛の木版画展―
会期:2018年9/4(火)~10/14(日)
休館日:毎週月曜(ただし9/17, 9/24, 10/8 は祝日のため開館)と 9/18, 9/25, 10/9
開館時間:10:00~17:00 (最終入場16:30)
会場:神田日勝記念美術館
〒081-0292 北海道河東郡鹿追町東町3丁目2番地 
入館料:一般520(460)円 高校生310(260)円 小中学生210(150)円 ()内は10名以上団体割引料金
※鹿追町民無料

<関連イベント>アーティスト・トーク
日時:9/15(土)13:30~14:00
会場:展示会場
※参加無料・事前申込不要(要観覧券)

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個展「牛のつむじ」展終了しました。 

 

札幌円山のGallery Reraraさんにて、冨田美穂個展「牛のつむじ」無事会期を終了しました。
冬の始まりの雪や雨で足元が悪い中、本当に多くの方に足をお運びいただきました。

来てくださったすべての方、また応援して下さった方々に、深くお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。

太郎賞の時の「388全身図Ⅱ」を中心に、ここ2~3年の作品と新作を展示しました。
Reraraさんの広々と明るい空間で、作品の牛達ものびのびしているようでした。

前回のRetaraさんでの個展から4年、あのときよりずっとたくさんの方に来ていただいた実感があり、それだけ多くの人に私の作品が届いたのだなあと思うと胸に迫るものがあります。
会期中、北海道新聞さんの札幌10区に取り上げていただいた事も大きかったかもしれません。

アートと畜産という全く違ったジャンルの人が交差する、また興味を持ってもらえる作品であるからこその責任もまた、感じた機会でもありました。

次は来年の展示予定へ向けて、この経験をまた糧にして、新しい作品を作っていきたいと思います。



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会場風景。


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酪農ジャーナルに佐藤弘康さんと連載していた「オノマトペ牧場」の原稿も展示しました。お気に入りの2枚です。


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1日1牛。そしてチャリティーポストカードもたくさんお買い上げいただきました。今年中にReraに寄付したいと思います!



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新作の1177。70.5×57.5cm


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新作の915。65×65cm


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388全身図Ⅱはまた剥がして丸めました。大きいのでそのまま運べないのです。次に広げるのはいつになるでしょうね。





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三人展終了しました。 

 

東一条ギャラリーでの、荒川版画美術館所蔵作家三人展、終了致しました。
たくさんの方にお越しいただき、本当にありがとうございます!

前回の細見浩さん展から改めて、松本五郎さん、根本茂男さんお三方の作品の良さを再認識させて頂いた思いです。
地に足をつけて、愛着を持って描かれた作品たちは尊いし、時間が経っても色褪せないどころか、益々価値を高めているようにも思いました。
また荒川版画美術館で一緒に展示させてもらうことになりますが、お三方の作品に負けないように、これからも精進して行かなければと気を引き締めました。

荒川版画美術館の今年の展示は11月半ばまでを予定しています。秋の佐伯農場も素晴らしいですので、どうぞお越しくださいね。


私の作品。とてもひさしぶりに出した油絵とシルクスクリーンの牛(右側)。


松本五郎さんの牛の版画。初めて荒川版画美術館で見たときからとても好きです。若い頃に中標津で教師を勤められた松本五郎さん。師範学校時代に生活図画事件に巻き込まれ、一年を獄中で過ごすと言う壮絶な経験の持ち主でもいらっしゃいます。自伝を借りたので、これからゆっくり読んでみたいと思います。


根本茂男さんの作品。鳥瞰図なのは、記憶をもとにイメージで描いたそうですよ。当時の活気が伝わってきます。若い頃の国後島の思い出を元に、お仕事を退職されてから木版画に取り組まれたそうです。


秋の佐伯農場、とても美しいですよ!

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そして、東一条ギャラリーでは次の展示が始まっています。
ボールペンで描いた北海道の駅舎でおなじみの、山宮喬也さんの油絵展です。油絵のしっかりしたマチエールで、道東の景色や静物などが描かれています。こちらもぜひ!




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